英単語の覚え方は、意味を確認する→音を聞く→短い用例で使い方を確認する→答えを隠して思い出す→間隔を空けて復習する、という流れで組み立てられます。単語帳を読むことをやめる必要はありません。読むだけでなく、「見ずに答える練習」も加えてみましょう。
ここでは decision(決定・判断) を例に、手持ちの単語でも繰り返せる手順を紹介します。
英単語の覚え方は「確認・音・用例・想起・復習」で組み立てる
私たちが提案するのは、一つの単語について次の5段階を回す方法です。
- 意味を確認する: 今回使いたい意味と品詞を押さえる。
- 音を聞く: つづりと発音を照らし合わせ、まねて言う。
- 用例を確認する: よく一緒に使う語と、短い例文を添える。
- 隠して思い出す: 英語や日本語の手がかりから、自力で答える。
- 間隔を空けて復習する: 後日、もう一度答えを見ずに試す。
読むことは、知らない内容や忘れた内容を確認する作業です。一方、答えを隠して記憶から取り出すことを「想起」といいます。単語帳を見れば分かるのに言葉が出ない場合は、この二つを分けて練習してみてください。
Dunloskyらの2013年の研究レビューでは、練習テストと分散学習が高い有用性と評価されています。ただし、特定のアプリや日本語話者の英会話への効果を直接示したものではありません。万能な方法と考えず、読むだけでは確かめにくい「思い出せるか」を確認する手段として取り入れましょう。
まずは意味一つと発音を確認する
新しい単語を調べるとき、最初からすべての語義や派生語を覚えようとする必要はありません。まずは、自分が使いたい意味に絞ります。
今回の確認メモは、次のとおりです。
- つづり: decision
- 意味: 決定・判断
- 品詞: 名詞。今回の意味では数えられる名詞
- 発音: /dɪˈsɪʒ.ə.n/。第2音節に強勢がある
Cambridge Dictionaryのdecisionの項目には、意味、発音記号、音声が掲載されています。音声を聞き、文字を見ながらまねて言ってみましょう。特に、どの部分を強く読むかに注意します。
次に、音声を止めて自分でも言ってから、もう一度聞きます。発音記号をすべて理解することより、まずはこの単語の文字と音を結びつける練習です。
意味は分かるのに読み方が出ないなら、意味を読み直すだけで終えず、音声の確認に戻ります。
単語の意味に短い組み合わせと例文を添える
decisionの意味を確認したら、次は周囲の語を少し足します。
make a decision=決める・決断する
これは、同じ辞書にも掲載されている組み合わせです。decisionが「決定」を表す名詞だと知ったうえで、動作として「決断する」と言うときの形も練習します。
たとえば、旅行先の候補を相談していて、そろそろ決める必要がある場面なら、次の文を使えます。
We need to make a decision. 私たちは決める必要があります。
これは練習用の自作例文です。「候補について相談している」という場面と一緒に確認してみてください。
この例では、単語・組み合わせ・文がそれぞれ違う役割を持ちます。
- decision: 単語の意味を押さえる。
- make a decision: 一緒に使う語を押さえる。
- We need to make a decision.: 使う場面と文の形を確かめる。
単語学習をフレーズ学習で置き換える必要はありません。単語の意味を土台に、使うための情報を補っていきます。覚える単位に迷う場合は、単語とフレーズ、どちらを覚えるか迷ったときの選び方も参考になります。
答えを隠して「分かる」と「思い出せる」を確かめる
意味と用例を確認したら、いったん答えを隠します。紙のカードなら、表に手がかり、裏に答えを書くだけで練習できます。
| 表の手がかり | 裏の答え | 確かめること |
|---|---|---|
| decision | 決定・判断 | 英語から意味が分かるか |
| 決定・判断(今回覚える名詞) | decision | 意味から英単語を思い出せるか |
| 決断する(makeを使って) | make a decision | 語の組み合わせを思い出せるか |
日本語には複数の英訳があり得るため、最初は「今回覚える名詞」「makeを使って」のようなヒントを付けても構いません。何を思い出す練習なのかを明確にします。
進め方は、答える前に裏を見ない→自分の答えを出す→裏を見て確認する→違いを直す、の順です。英語を答えるカードでは、できれば声にも出してみましょう。
答えられなかったときは、単に「不正解」とするより、止まった箇所を短く残すと次の練習を決めやすくなります。
- 意味: decisionを見ても意味が出なかった。
- 音: 文字は浮かんだが、発音できなかった。
- 組み合わせ: decisionは出たが、makeが出なかった。
なお、カードで正答できることと、会話中に使えることは同じではありません。カードで思い出せたら、例文を見ずに言う、使う場面を思い浮かべて言う、といった練習にもつなげてください。
忘れた単語は確認し直し、間隔を空けて復習する
答えが出なければ、必要な情報に戻ります。意味を忘れたなら意味を、音が曖昧なら音声を、makeが出なかったなら組み合わせと用例を確認しましょう。
その後、別の項目を挟んでからもう一度挑戦します。答えを見た直後に繰り返すだけで終えず、後日も隠して答える機会を設けます。
たとえば、次のような日程から始められます。
- 今日: 意味・音・用例を確認し、隠して答える。
- 翌日: 確認から始めず、まず答えを隠したまま試す。
- その数日後: もう一度試し、忘れた箇所を確認する。
これは実施例であり、万人に最適な復習間隔ではありません。分散学習を扱う教育専門誌の解説でも、適切な間隔は学習の文脈に依存するとされています。何度も出てこない項目は早めに見直し、思い出せる項目は少し間隔を広げるなど、正答状況に合わせて調整してください。
すでに復習が大量に溜まっている場合は、単語アプリの復習が溜まったときの再開方法で、再開の進め方を確認できます。
自分の単語で一巡し、続けられる形にする
最後に、自分が旅行や仕事、日常のやり取りで使いたい単語を一つ選び、次の項目を埋めてみましょう。
紙のカードと辞書でも、この流れは実行できます。アプリで続けたい場合は、LingoTimで自作デッキを用意し、音声再生とSRS(間隔を空けた復習)を使って練習する方法もあります。
まずは今日使いたい一語で、確認から想起まで試してください。覚えたかどうかは、閲覧回数だけでなく、答えを見ずに何を言えたかで確かめ、次の復習につなげましょう。
