英語の会議で発言できない人へ:「はい」「OK」しか言えなかった30分を、次の会議の一言に変える

ロンドンのチームとの週次会議で、その案のまま進めるとデザインの納品が次のスプリントに食い込むはずだと思っていたのに、口から出たのは「OK, OK, looks good」だけだった。通話を切ったあと、私はSlackの自分宛てのメモ欄に日本語で「その案だと納期に影響が出ると思う」と打ち込んだ。

2026年9月14日読了時間:約1分
英語の会議で発言できない人へ:「はい」「OK」しか言えなかった30分を、次の会議の一言に変える
実生活の言語

「OK」しか言えなかった週次会議

ロンドンのチームとの週次会議だった。画面越しに進行役が新しいスケジュールの提案を読み上げ、参加者が順番に頷いていく中で、私の頭の中には別の懸念が浮かんでいた。その案のまま進めると、デザインの納品が次のスプリントに食い込んでしまうはずだった。口を開こうと画面のミュートボタンにカーソルを合わせたものの、頭の中で英文を組み立てているうちに議論は次へと流れてしまい、私に意見を求められたときに口から出たのは「OK, OK, looks good」という相槌だけだった。反対の意思を持っていたのに、口からは肯定の音しか出ない。通話を切ったあと、私はSlackの自分宛てのメモ欄に、日本語で「その案だと納期に影響が出ると思う」と打ち込んだ。

フレーズ集を覚えても会議で出てこない理由

あの日の会議が終わったあと、机の脇に置いてあったビジネス英語のフレーズ集をめくってみた。そこには意見を挟むときの丁寧な構文や、反論の定型文が何十個も並んでいて、どれも文法的には正しいし、意味も分かる。けれど、オンライン会議の速いテンポの中で発言できないとき、私たちが探しているのは何行にもわたる整った文章ではない。自分が詰まるのは相槌の次の一言だけで、「少し待ってほしい」や「納期の点が気になる」といった、会話の隙間に滑り込ませる数語のフックだ。「ビジネス英語 会議 言いたいことが言えない」と検索すると、もっと словарный запасを増やそうとか、汎用フレーズを丸暗記しようという助言によく出会う。けれど、頭の中に何十もの選択肢を並べてしまうと、会議の0.5秒の沈黙の中でどれを選ぶべきか迷い、結局口が閉じてしまう。

会議直後3分、沈黙した場所を日本語で記録する

そこで私は、会議中にうまく話そうとするのをやめて、会議が終わった直後の3分間だけを使うことにした。通話が終了した画面を閉じる前に、ノートでも自分宛てのチャットでもいいので、自分が黙ってしまった瞬間を2つの項目だけで書き留める。「どの場面で」と「何を言いたかったか」だ。会議中にメモを取ろうとすると相手の話を聞き逃してしまうので、通話中は聞くことに専念して、終わった瞬間に日本語のまま走り書きする。「スケジュールの話のとき、納期が遅れると言いたかった」「要件の確認で、もう一度確認させてと言いたかった」という程度で構わない。英語に直す作業はその場では行わず、まず自分の沈黙の輪郭だけを紙に残す。

10〜15個に絞って自分の語彙にする

数週間分の記録を眺めてみると、自分が沈黙している場面はせいぜい3〜4種類しかないことが分かってくる。意見を挟みたい瞬間、相手の言ったことを確認したい瞬間、そして持ち帰って確認したい瞬間だ。それぞれの日本語に対して、自分が言えそうな短くて自然な英語を1つずつ当てはめていき、全体で10〜15個ほどの小さな塊に絞り込む。「That might affect the timeline.」や「Can I double-check one thing?」といった、自分にとって無理のない一言フレーズで十分だ。私はこのメモから訳した一言を、そのまま LingoTim に入れておく。次の会議までの数日間、朝の移動時間やすきま時間に数分の短い練習セッションでその一言を呼び出すようにしていると、本番で口が動く確率が少し上がってくる。何百もの表現を並べたリストを眺めるよりも、自分が実際に詰まった数個の言葉を定期的に手元へ戻すほうが、必要な瞬間に指先から引き出せる感覚がある。

言葉が用意できても、まだ黙る日がある

もちろん、手元に10個の表現が揃っていればすべてが解決するわけではない。会議で黙り込んでしまう理由の半分は語彙ではなく、「今このタイミングで自分が口を挟んでよいのか」という確信のなさや、チーム内の力関係だったりするからだ。実際、振り返ってみると、私は日本語の社内会議でも同じように黙り込んでいることが珍しくない。英語だから言えないのではなく、場の空気を読みすぎて言葉を引っ込めてしまう癖そのものは、いくら表現を準備しても消えない。それでも、手元に「That might affect the timeline」という一言が具体的に乗っていると、何も持たずに相槌だけで乗り切ろうとしていた頃に比べて、発言するまでの心理的な摩擦は確実に小さくなる。

次の週の会議で、私は用意していた10個の一言のうち、実際に声に出せたのは2つだけだった。「Can I confirm one thing?」と口を挟み、スケジュールの懸念を短く伝えたところで、また緊張して黙ってしまった。残りの8個は、手元のメモに残ったまま画面が暗くなった。それでも、相槌の「OK」だけで通り過ぎた先週の30分とは、何かがわずかに違っていた。

よくある質問

英語の会議で発言できないのは語彙が足りないからですか

半分はそうです。ただ足りないのは単語数ではなく、自分が毎回詰まる場面の一言です。記録してみると、詰まる場面は3〜4種類しかないことが多いです。

会議中にメモを取ったほうがいいですか

会議中は聞くことに使ったほうがいいと思います。私は終わって3分以内に、日本語で「どの場面で何を言いたかったか」だけ書きます。

何個くらい用意すればいいですか

10〜15個で十分です。それ以上増やすと、どれも口から出てこなくなります。

覚えたフレーズが本番で出てきません

一度覚えただけだと出てきません。数日おきに短く思い出す練習が必要です。私はLingoTimに入れて、次の会議までの数日で戻ってくるようにしています。

ready-madeのフレーズ集は無駄ですか

無駄ではなく、出発点としては使えます。ただ自分の沈黙の記録と照らして、必要な数個だけ残すほうが定着します。